たんたんと絵本の記録を 絵本

絵本の読み語り記録:小学校1年生(2024.3月)

ひとりで入る機会としては6回目の小学校読み語りボランティア(そのほか、学校のお祭りや6年生を贈る会などはグループとして出し物をしたりしている)。

今回はひさびさの1年生。ストーリーに没入できるお話と、シーズン重視の本と、時間内での組み合わせ方が難しく最後までうんうん迷ったけれど、今回は、小学校1年生を終える今だからこそ読みたい絵本、というシーズン重視の選書でいくことにしました。

迷っていた物語系の絵本は、2年生になってからでも十分楽しめると思ったことが決め手。

今回も自分の備忘録を兼ねて、たんたんと記録をしてゆきます。

3月上旬

「みんな、1年生で本当にいろいろなことができるようになったよね。今日は、1年生が終わる今だから、読みたい絵本を3冊、持ってきました」と言ってスタート。

▼1冊目
『あいうえ おりょうり めしあがれ』

(acototo ふくだとしお+あきこ/イースト・プレス)
目安:考えながらゆっくり読んで、4分20秒

「まずは、ひらがな。ひらがなはもうすっかり、スラスラ読めるようになったよね。どんな言葉が出てくるかな〜」と読み始め。

バラバラになっているひらがなを料理して(並べ替えて)、どんな料理になるのかを想像していく参加型の絵本。

しーんとするよりは声を発してくれるといいな〜とは思っていたけれど、予想を上回るほど元気いっぱいのクラスで、冒頭から子どもたちがあちこちから大きな声で答えを叫んで(?!)くれていた。

ちょっとざわざわが大きくなってしまったところもあり、静かに聞きたい子が「しずかにして!」って言っていたのが、読み手としての力量不足もあってちょっと複雑な気持ち。それでもみんな、最後まで熱心に参加してくれて、総じて盛り上がったのはよかった。


▼2冊目
『おおきくなるっていうことは』

(中川ひろたか 文、村上康成 絵/童心社)
目安:3分20秒

2冊めは、ちょっと静かに聴けるものを。

「もしかしたら幼稚園や保育園で読んだことがあるかもしれないけれど、これから2年生になるいまだから、改めて聞いてほしいなと思って持ってきたよ」という入りでスタート。

有名な絵本だからどうかなと思ったけれど、実際「知ってる! でも忘れた〜」なんて言っている子もいたから、同じ絵本を時間をあけて読むことも、きっといいことだと思う。感じ方も、小学生になってからではきっと全然違うはず。

物語というよりは、詩のような感じでたんたんと進んでいくのだけど、子どもたちは「あ、歯が生えるとかね〜」と反応しながら興味を持って聞いてくれていた。

「ひいおばあちゃん、99さい」と読んだとき、「えーっ!」と声があがった。つぎのページに続く、「おおきくなるっていうことは、じぶんより ちいさなひとが おおくなるってこと」「ちいさなひとに やさしくなれるってこと」というメッセージ、1年生を終えて、これから新しい1年生を迎える彼らには、どんなふうに届いたかな。

押しつけにはならないでほしいけれど、これからも、どこか心の片隅にその言葉が残っていたら、世界は平和になっていくような気がしている。


▼3冊目
『おうさまがかえってくる100びょうまえ』

(柏原佳世子/えほんの杜)
目安:3分40秒

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最後は、数。「10より大きい数をスラスラ数えられるようになったのも、1年生になってできるようになったことだね」と言って始めた。

タイトルからも想像しやすいように、冒頭以外は1から100まで数えていくのが読み手の役割なのだけれど、もう初っ端から子どもたちが一緒に数え始めてくれて、ノリのよさに大いに助けられた。

ただ、大勢だとなかなかスピードを合わせるのが難しい。秩序が乱れるのが嫌いな子は、私の読む速度より早く数えていく子たちに「もっとゆっくり!」「早いよ!」と言ったりしているのも聞こえた。イライラさせちゃったかもしれない。精進したい。

そういう反省はありつつ、でも最後までみんな絵本に注目しながら、数え続けてくれたのは嬉しかった。特に最後の90秒台のたたみかける感じと絵の迫力は、映画的にもおもしろかったんじゃないかなあと思う。こんな絵本もあるんだよ、という感覚だけでも持ち帰ってもらえたら嬉しい。


▼ おまけ
少しだけ時間が余ったので、本の紹介をした。紹介したのは『給食番長』などで知られる福岡県在住の絵本作家さん、よしながこうたくさんの『宿題ファイター』(ちなみに、以前レポを書いたこのイベントでサインしてもらった記念の本でもある)。

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同じ県内に住む絵本作家さんであること、また小学1年生が主人公で、話のなかに足し算が出てきたりすることも紹介。まさに今だからこそ楽しさがわかる本なので、春休みに探して読んでみてね〜と結んだ。


今回はわが子のクラスで、他の子たちにもある程度認識されていることもあり、全体的に教室がざわざわしやすかったのは少し反省点。やっぱり参加型はどちらか1冊にして、1つは少しストーリーを追うようなもののほうがよかったかもしれないなー。

まあ、反省は次に生かしていこうということで、ひとつ。

終了後、わざわざ「本を読んでくれてありがとうございました」って言いに来てくれた子がいた。天使。わが子も帰りがけに手をふってくれたうえ、その後もママばいばい、と追いかけて来てくれた。かわいいね。

この光景が見られるのも期間限定なんだな、と感じて切ないけれど、まあ、だからこそ関わり続けようと思うのかもしれない。味わってこう。日々。

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