たんたんと絵本の記録を 絵本

絵本の読み語り記録:小学校6年生(2024.12月)と、最近出会った絵本たち

今日も今日とて、子が通う小学校の朝の読み語りへ行ってきた。

今回は6年生。初めて入るクラスだったので、前回、11月に別の6年生クラスで読んだものと同じ2冊を。

本の紹介はぜひ前回の記事にて。

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『わたし』は低学年でも読めるやさしい文章だけれど、6年生くらいでもう一度味わうと感じ方が違うだろうな、と思ってセレクト。

子どものころの自分を振り返ると、小学校6年くらいで、「自分ってなんだろう」とか「いまってなんだろう」とか、少し哲学的なことをいろいろと考えるようになってきたな……と記憶しているから。この本もまた、なにか考えるきっかけになったら嬉しいなと思う。

本文中、たびたび立ち戻る「わたし」というフレーズがあるのだけど、そのときは教室内のみんなの目を見て、少しゆっくりと強調しながら発語するようにした。「わたし」はいつも同じだし、同じはずだけど、違う。そこがきっと、おもしろい。

『綱渡りの男』は、1974年の綱渡りから50周年の2024年の間に、もう一度読みたいと思って持っていった。こちらは「本当にあった話です」と伝えてから読んだこともあり、みんな息をひそめる感じでじっ、と集中して話を聞いてくれた。

夏にニューヨークであった50周年イベントでも、フィリップさんが綱渡りを披露したエピソードもあわせて紹介。動画があることや、映画化された話もしたので、クラスで一人でも、家に帰ってから検索してくれたらいいなと思う。

冬の季節感のある絵本も読んでみたかったけれど、師走は本業も忙しくてなかなか時間がとれず……。季節感はまた別のタイミングに出してゆこう。


というわけで、今回はすでに紹介した2冊を読んだので、記事では趣向を変えて、選本期間に新しく出会った絵本のなかのいくつかを、書き留めておきたい。いつか別の日や学年で読みたいものもたくさんあるので、自分の備忘録として。

それでは、さっそくGo!

1.『かべのすきま』
(中西翠 文、澤野秋文 絵/アリス館)

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読み語りでも人気の絵本で、図書館で予約していたら数か月待ってようやく回ってきた1冊。

ぼくが一人で留守番をしていたら、かべのすきまからまさかの展開が……。

こたつが出てくるので冬にちょうどよさそう。3、4年生くらいの冬に読むと、陽気でいい味出しているおばちゃんたちのキャラクターも子どもたちに楽しんで聞いてもらえそう。絵も大きくカラフルで、遠くからも見やすそう。

2.『これはトイレットペーパーのしん』
(谷内つねお 文、黒田菜月 写真/福音館書店)

目安:約2分

2、3分で読める短い絵本を探していて目にとまった1冊。

軽くて、やわらかくて、簡単にやぶれるトイレットペーパーの芯だけれど、縦にすると、こんなものまで載っちゃう……?!

机に置いておいたら小2の娘も自分でめくって「ふっ!」と楽しんでいた。

わかりやすくて短いので、学年を問わず、導入やおまけの1冊などに重宝しそう。

※表紙画像については福音館書店の「著作物の利用」に基づき、利用可能な範囲で利用しています。

3.『ゆうやけにとけていく』
(ザ・キャビンカンパニー/小学館)

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印象的な絵本をたくさん出していて個人的にも好きなザ・キャビンカンパニーさんの1冊。

これも本当に色合いが美しくて、絵を子どもたちにも味わってほしいなあと思いつつ、朝の読み語りには向かないかも……と。

どちらかというと、午後や夕方、夜などにゆったりと味わってほしい。

むしろ大人にこそ味わってほしい1冊でもある。

4.『雪の上のなぞのあしあと』
(あべ弘士/福音館書店)

目安:10分30秒

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ある冬の夜に、動物園で起こった“事件”の話。

動物園という子どもたちにも身近なモチーフと、冬の夜というちょっと未知でわくわくする要素がかけ合わさっていて、それだけでも話に惹き込まれる。

3、4年生の冬に読んでみたい1冊。

5.『ゆきのひにあえたら はっぱのしたのおんなのこ』
(ワン・ユーウェイ さく、訳 長山さき/ほるぷ出版)

こちらは淡くて繊細な絵なので、大人数の読み語りというよりは、家で、自分の子どもに近くで寄り添って読みたい1冊。

ふわふわのしっぽで眠る小さな女の子が、とにかくかわいい……!

寒い季節に、子どもと近距離で、絵を眺めながらゆっくりと楽しみたい。

6.『干したから』
(森枝卓士 写真・文/フレーベル館)

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冬は保存食とも関係あるし、わが子がドライフルーツ好きなこともあって、「干す」本もおもしろいかも……?と借りてみた写真絵本。

日本だけじゃなくて、世界の乾物もたくさん出てくるのがおもしろい。

見慣れないあんなものも干すし、見慣れているあれも、そうか、干したものなんだ!と大人も改めて気づく。

なぜ、干すの?にも言及していて、改めて考えるのは、大人もこれまた勉強になる。

4、5、6年生の冬に読むと、日々食べるごはんがちょっと違って見えてくるはず。

7.『ふゆですよ』
(柴田晋吾 作、降矢なな 絵/金の星社)

目安:3分40秒

表紙のおさるさんに惹かれて思わず開いてしまった1冊。

降矢ななさんの絵は他の作品も含めてダイナミックな構図やはっきりとした色使い、それでいてやわらかさがあって大好きだし、教室の後ろからでも見やすいのでとてもありがたい。

生活の身近な場所から、山や畑、海の底や幼稚園まで、いろいろなところの冬の風景が次々と出てくる1冊。

年齢問わず、「冬のお話し会」みたいなものがあればその冒頭の1冊にぴったりなのでは。

※表紙画像については金の星社の「著作物の利用について」に基づき、利用可能な範囲で利用しています。


以上、最近出会った絵本から何冊かをご紹介しました。

自分ひとりでただ自分の好きな絵本を読んでいた時期もその楽しさがあったけれど、やっぱり、学校の大勢の子どもたちに読むという視点で絵本を探すのは、とても視野を広げてくれる体験だ。

そして子どもたちは、大人よりもよほど、刻々と変化する。

いま、この学年の、この時期に、ぜひ聞いてほしいなと思う1冊に出会えたときは、嬉しい。

そんなこんなで、2024年の読み語りはいったん終了。年度の区切りではないので、まだまだ途中感のほうが強いけれど。

全員に深く届くことはなくても、1、2人でも何か心に残ってくれたらいいなと思いつつ、これからもゆるやかに活動を続けていきたい。

-たんたんと絵本の記録を, 絵本

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