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「ミニいまじゅく2024」参加レポ〜こどもがつくる、こどものまち。はたらく、あそぶ、経済まわす。

2024年7月21日に開催された「ミニいまじゅく2024」。

2022年12月の初開催から、約1年半の時を経て、2度目の開催です。

前回、5歳で「こども店長」として「なっとうおめんやさん」を企画した娘は7歳になり、今回もふたたび「こども店長」として参加することになりました。

私も当日設営や写真撮影など、運営まわりでちょこっとお手伝いに。

ということで今回も、いち「こども店長の親」兼、運営お手伝いという立場から、会場の様子をレポートしたいなと思います。

※「ミニいまじゅく」の最新情報・お問い合わせ等は下記公式アカウントから。
https://www.instagram.com/imajyuku_asobi_labo

※写真について:受付にて撮影・SNS等掲載OKのご了解をいただいた方のお写真を使わせていただいていますが、当ページの写真掲載について何かありましたらお問い合わせフォームよりご連絡ください。

そもそも、ミニいまじゅくって?

レポートの前に、「ミニいまじゅく」をご存知ない方のために少しだけ説明を。ミニいまじゅくは、子どもたちが主体的に考えて開催する、「巨大なお店屋さんごっこ」のようなイベントです。

事前に「こども店長」が「こども会議」を通していろいろなお店屋さんを企画し、出店。当日参加の子どもたちは「ハローワーク」で気に入ったお店の仕事を選び、働くことで、そのまちで流通するお金を稼ぐことができます。

稼いだお金は、好きなお店での買いものしたり、遊んだり。そしてまた働いてお金を稼ぎ、まちの経済を回してゆきます。

この企画のベースになっているのは、ドイツで始まった子どもの主体性を育む「こどものまち」プログラム。日本でも子育て支援団体や自治体等が主体となって200か所ほどに広がっているそうです。

そして「ミニいまじゅく」は、今宿に移住してきた遠藤幹子さん・山本絵美さんが中心となり立ち上げた企画。2022年12月に初開催、2024年7月の今回が2度目です。

建築家の遠藤さんは「大人から子どもまで、みんなが創造力を育める場づくり」のプロであり、「ミニよこはま」や「ミニふくおか」運営にも携わってきた方。山本さんは、自宅で子ども向けのロボット・プログラミング教室を運営し、子どもの想像力を形にする活動をされています。

おふたりとも子育て経験があり、「もっとこの地域で、良質な学びや気づきの機会を子どもたちに与えたい」という思いから、その機会の第一弾としてこの「ミニいまじゅく」を立ち上げたのだそう。

同じく移住者&子育て中な自分としても、素敵な取り組み!と感じています。

……と、固い説明はここまで。ここからはいよいよ、当日のレポートを写真メインでお届けしてゆきましょう〜。

2024.7.21(日)ミニいまじゅく レポート

前回は雪のちらつく季節でしたが、今回は真夏の開催。

会場は海辺のシェアオフィスSALTです。

設営に9時ごろ会場入りしましたが、隣接するビーチでは、すでに海水浴を楽しむ人たちの姿も。海辺にはぴったりの季節ですね。

10時 こども店長、開店準備スタート!

お客さんが来る前に、こども店長たちが集合してお店の準備を始めます。

ちなみにこども店長たちは、事前に1度、「こども会議」に参加し、それぞれどんなお店がやりたいか、何を準備してくるかを話し合っていました。

こども店長を集めて事前に開催した「こども会議」の様子

一緒に写っているのは、準備から当日の段取りまで、「こどものまち」の運営を支えている、サポーター有志のみなさん。自身も子どものときに「ミニふくおか」などで遊んで育ち、自然と運営に関わるようになった、という人も多いのだそう。

そして迎えた当日。

さっそく、こども店長はサポーターのお兄さんお姉さんとともにお店の準備、裏方である大人たちは受付まわりや会場設営、まちの通貨や町民証の準備など、役割分担をして「こどものまち」の準備を進めてゆきます。

さて、開店直前のそれぞれのお店の様子、ちょっとのぞいてみましょうか……!


「なげていれろ わなげ屋さん」では、海をバックに新聞紙とテープで着々と輪っかを作成中。

その後ろに見えるバルコニーでは、「スーパーボールすくい」の準備が整えられているもよう。

海を眺めながらスーパーボールすくいだなんて、なかなか気持ちよさそうです。

「アクセサリーやさん」では、カラフルな看板を制作中。

家でつくってきたかわいいアクセサリーたちが、陳列されるのを待っています。

こちらは、新聞紙で洋服などをつくる「じぶんでつくってもいいし おきゃくさんがつくってもいいようふくやさん」

看板がなかなか個性的で目を引きます。

一風変わって、中学生が企画する「一攫千金!! ドリームワールド」

通称、ギャンブル屋さんとのこと。発想が自由〜!

一方キッチンでは、「楽しいチョコバナナ」や、「マシュマロサンドやさん」の看板や食材の準備が着々と進みます。

ふむふむ、マシュマロサンドはチョコソースのあり、なしが選べると……。

サポーターさんが店長を務める「Drink Bar Imajuku」

好きなジュースを混ぜて、この世にひとつのオリジナルブレンドも作ることができるみたい。

「いまじゅくぎんこう」では、大人サポーターたちが一生懸命、まちの通貨「ベリー」を切っていました。

10ベリーは、会場そばの神社がモチーフ。いずれのベリーも、子どもたちがデザインしたもの。

子どもも大人も力を合わせて、なんとか設営完了です!

お昼休憩をはさんで、あとはお客さんが来るのを待つばかり。

13時 「こどものまち」スタート!

開始時刻の少し前から、ぞくぞくと集まる子どもたち。

受付をしたら「町民証」をもらって名前を書き、まちの通貨「20ベリー」を受け取って、集合場所へ。

サポーターさんの説明のもと、みんなで「こどものまち」のしくみについて学びます。

「ハローワーク」や「ぎんこう」がどんな役割なのか、どうやって働いたり、買い物をしたりするのか。

しくみがわかったところで、いざ、「こどものまち」のはじまり、はじまり〜!

みんな受付のときに、まちの通貨「20ベリー」はもらっているものの、やっぱり最初は、「お金を使おう」よりも「働こう」と考える子が多いよう。

ハローワークに、人がどどっと押し寄せます。

あれ?! いつの間にかハローワーク自体も、子どもスタッフが働いている。すばやい!

ミニいまじゅくのハローワークには、「こども店長」が手書きで用意した、楽しいお店の求人がずらり。

開始から数分で、あっというまに、各お店の募集人数が埋まっていきました。

働くことになった子は、お店に行って「こども店長」さんの指示のもとでお仕事をします。仕事の時間は1ターム15分。

15分たったら、やめるか、そのまま働き続けるかを選ぶことができます。

最初の15分は、みんなまだあまりお金を持っていないので、いくつも買い物はできず、お店には人が来ない……という状況も。

しかし、それでもちらほらと人が来ているお店もあります。

こども店長さんたちもその状況をみて、「何が違うんだろう?」「お客さんに来てもらうにはどうしたらいいだろう?」と考え、高めに設定していた価格を値下げしてみたりと、臨機応変に対応していました。

最初の15分が経ち、お仕事を終えて「ぎんこう」で給料をもらった子が増えてくると、次第にどのお店もにぎわいはじめます。

「経済がまわる」が目で見える感覚。

買いものに行く子もいれば、気に入ったお店を見つけて何タームも働く子もいるし、ギャンブルにハマる子も…?!

みんな、「こどものまち」で思い思いの時間を過ごします。

ちなみに今回は、大人も参加費を払って町民登録をした方のみ、20ベリーを持って「こどものまち」に入れるしくみを試験的に採用。

こどものお店でサービスを受けたり、「町民課(まちの遊び方説明や町民証の発行)」や「保健所(キッチンの衛生管理など)」など仕事にも応募できるようにしたりして、裏方として「こどものまち」のサポートをお願いしました。

せっかくなので私も、町民登録をして「こどものまち」で買い物してみることに。

「マシュマロサンドいかがですか〜♪」の呼び声にさそわれ、「マシュマロサンドやさん」でかわいい店員さんにマシュマロサンドをつくってもらったり、「じぶんでつくってもいいし おきゃくさんがつくってもいいようふくやさん」で服づくりを楽しんだり。

あくまで主体は子どもたち。大人のわたしは、子どもたちのつくるお店のお客さんとして、ちょこっとだけお邪魔させてもらったんですが、その感覚が新鮮でした。

おままごとじゃなくて、完成した本物のマシュマロサンドをお皿に乗せて、両手で「どうぞ♪」って小さな子に差し出してもらったの、とてもうれしかった。

後半になると、お店にお客さんを呼び込もうと、まちのなかで呼び込み営業をする子たちも。待ってるだけでお客さんが来ないなら、呼んでくればいいじゃない。みんな、自然と考えてどんどん動いてる。

「終了まであとわずかです〜。みんな、遊んで終わろう〜!」のアナウンスが流れると、子どもたちは稼いだお金を使いきろうと、どのお店もいっそうにぎわいを見せていました。

ギャンブル屋さんの「一攫千金!! ドリームワールド」では、「中途半端に残ったベリー、ここで増やせますー!」と、店長の見事な呼び込みの効果もあり、お客さんが殺到。この日一番の大にぎわい。

しんぶんようふくやさんは、前半は働く人が多くて商品がどんどん増えつづけていましたが、最後にはみんなが買い物モードになったので一気に売れて、完売したそうです。

売れるとき、売れないとき。

みんながどれだけお金を持っているか。そのひとがいま、何を求めているか。

“経済を学ぶ”というとかたくるしいけれど、実際はまさにその流れを、子どもたちは体験していたんだなあと思いました。

自分たちでつくった商品が売れなかったり、一気に売れたりする様子を目の当たりにした経験は、その場で深く理解しなくとも、「楽しかった!」という記憶とともに、心のなかに残るはず。

きっとこの先大きくなっていく過程で、経済について学んだり、アルバイトをしたりしたとき、「ああ、そういえばミニいまじゅくで……」なんて、ふと思い出される瞬間があるのかもしれません。

15:45 お店クローズ、おわりの会

あっというまの2時間半が過ぎて、最後はみんなで、おわりの会。

「今日、楽しかったひとー!」の声に、たくさんの手があがります。

「次はこども店長やってみたい人?」との投げかけには、今回は参加者として参加した子たちから、何人も手があがっていました。

今回は、各店のこども店長へのインタビューも。

雇われて働くよさももちろんあるけれど、自分で好きな商品やサービスをつくって経営するって経験が、こういう遊びのなかで積み重ねていけるのは、とっても貴重なことだと思います。

そもそも「自分で店長やっていいんだな」「お店って自分でできるんだな」って発想が、おとなになってからでは、なかなかもてなかったりすることもあるからね。

きっとここにいる子たちは、「え?お店?自分でやればよくない?」くらいの感覚をもっていってくれるに違いない……というのはまた、大人の勝手なまとめ方かもしれないけれど。期待するくらいは、ゆるされるかしら。

そんなこんなで、第2回も大盛況のうちに閉会した「ミニいまじゅく」。

閉会後、さっそく行われたスタッフ・サポーター振り返り会では、「次はもっとこうしてみよう」と、よりよくするための改善アイデアもたくさん飛び出していました。

次回はまた来年、場所や季節を変えての開催を検討中とのこと。

興味のある方はぜひ、下記の公式アカウントをフォローしてみてください。

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※「ミニいまじゅく」の最新情報・お問い合わせ等は下記公式アカウントから
https://www.instagram.com/imajyuku_asobi_labo

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