たんたんと絵本の記録を 絵本

絵本の読み語り記録:小学校4年生(2023.12月)

2023年12月14日

5回目の小学校読み語りボランティア。これまでは低学年ばかり担当してきたなか、今回は初めての中学年、4年生とあってどきどきとそわそわと。

慣れない選本のなか、季節ネタもいいなあ〜とクリスマス、お正月の本もいろいろリサーチして読んでみたけれど、いまいち「これだ!」と思えるものに出会えず……。

ならば純粋に楽しんでもらえそうなものを、と開き直り、言葉遊びをテーマに2冊選びました。今回も自分の備忘録も兼ねて、たんたんと記録をしてゆきます。

12月中旬

「みんな、なぞかけって知ってますか?」と投げかけてみたら、多くの子は知らなーい、という印象。一部からはちらっと「知ってる」という声も。

「知らなくっても大丈夫。今日はみんなで、なぞかけの師範に弟子入りしましょう!」と言った流れで表紙を見せ、「なぞかけどうじょう」とタイトルを読んで、入りました。

▼1冊目 

『なぞかけどうじょう』
(中川ひろたか 文、大島妙子 絵/金の星社)
目安:考える間を置きながらゆったり読んで、9分強

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実はこの1冊に決めようかどうか、直前まで迷っていた。低学年以外の子どもたちに読み聞かせをするのが初めてだったので、難易度がちょうどいいのか、大人数向けに読む場(個別にフォローできない)でもちゃんと伝わるか、思いあぐねていたのだ。

でも本の冒頭には、なぞかけがどういうものか、の説明もしっかりとあること、また練習で小1の娘に読んでみたら一応ちゃんと伝わっていたようだったことから、きっと4年生なら一段と楽しんでもらえるはず……!いや、たとえ場が静まり返ってもきっと静かに考えて楽しんでくれると信じて私はメンタル強く読み切る……!と覚悟を決めて、この1冊に決めた。

さて実際はどうだったかというと、4年生の子どもたち、とっても楽しんでくれていたと思う。

家で夫と小1の子に聞いてもらったときよりよほど反応があって、「◯◯とかけて、△△ととく。そのこころは……」となぞかけを出題したあとに少し間を置いているとき、あちらこちらで答えらしきものをつぶやく声が聞こえ、自分で考えてくれているのがわかってとっても嬉しかった。

なかには、絵本の答えとは違うけれど「あ、それもありかも!」というのもあって、子どもの頭の柔軟性すごいなあと思ったり。

一般的なルールでは大人数の読み語りって、物語では基本的に子どもの声に反応するのはご法度らしいのだけれど、今回は参加型、ストーリー重視の一問一答型ということもあって、私は「ああ、それもありかもね!」なんてさらっとはさみつつ進行。

場がシーンとすることも想像していたので、ほどよく反応しながらずっと最後まで参加して聞いてくれて、ありがたかった……!

読み終えてから、「なぞかけはお父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃん世代までみんな知っている昔からある遊びなので、よかったらお正月休みにみんなで遊んでみてね」とひとこと添えてみました(なんとか、個人的な季節ネタへの未練を昇華)。

▼2冊目 

『だじゃれどうぶつえん』
(中川ひろたか 文、高畠純 絵/絵本館)
目安:ゆったり間を置きながら読んで3分強

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1冊目が参加型で時間が少し前後しそうだったので、時間があまったら読もう、と思って用意していたおまけの1冊。今回は入室時刻が早かったこともあり、余裕を持って読み切れた。

こちらも1冊目と同じく中川ひろたかさんの言葉遊び。前回2年生に読んだ『こんにちワニ』も中川さんだけれど、そちらに比べるとちょっと難易度が高いので、大人数向けに読むなら4年生以上向きかなという印象(個別にフォローしながらなら年長くらいから楽しめると思う)。

『だじゃれどうぶつえん』というタイトルのとおり、いろんな動物たちがダジャレになって登場する。個人的には、時計を見ながら「もうゴリラ」、「わっ ひつじ!」と言っているのがとても好き。

本が小さいので、教室だと後ろの席の子は絵が見えにくいかも……と思い、賛否両論あるだろうけれど、今回は絵の要素を言葉や擬音でちょっと補ったりしつつ読み進めることに。

例えば「わっ ひつじ!」は、絵で目覚まし時計を見てびっくりしているひつじが描かれているのだけれど、本文にはない「ジリリリリリ!」という音を加えて、今起きたような驚いた顔をして、「わっ、ひつじ!」と読むとか。

あと全体的に、言葉ははっきり、ゆっくりと。間を十分に持って進むように心がけ。

間を持つことを意識していると、その間に、読んでからちょっと遅れて、子どもたちがじわじわっ、と笑ってくれる。この笑ってくれるというのが、あ、おもしろさが伝わっているんだなとわかってとても嬉しかった。

今回は2冊とも、“これちゃんと伝わるかな……、いや、場が静まり返っても私は強いメンタルで最後まで明るく読み切るぞ……!”と覚悟して臨んだので、たくさん反応を返してくれる子どもたちが本当に神がかって見えた。やさしい世界。

終了後、先生に「すごい、いろんな声を出すんですね……!」っておっしゃっていただいて、その場では「いやいやそんなこと……」みたいな反応をしちゃったけれど。

後になって、もしかしたらあれは「(一般的な読み語りのルールでは子の想像力の妨げになるから大げさに声色を変えるのはよくないとされているのに)すごいいろんな声を出すんですね……!」という意味だったらどうしよう、と思いつつこれを書いている。

まあ個人的には、一般的なルールはルールとして尊重すべきところでは尊重しつつ、絵本の内容や、聞き手の雰囲気、状況によって、変えてもいい、むしろ変えたほうがいいと思っているので、これからもそんなスタンスでやってゆこうと思うけれど。

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