たんたんと絵本の記録を 絵本

絵本の読み語り記録:小学校1年生(2025.6月)

早いもので6月です。

とその前に、5月にも3年生の読みに入ったものの、バタバタしていて記録がスキップしてしまったのでこちらにメモ。以下の2冊を読みました。

『にょっ!』(ザ・キャビンカンパニー/小学館)

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ゆらゆらばしのうえで(きむらゆういち 文、はたこうしろう 絵/福音館書店)

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さて梅雨まっさかりの6月は、毎日雨が降ったり止んだりと微妙な気候。

雨にまつわる1冊もバッグにしのばさせつつ、1年生のこの時期に聞いてもらいやすい他の本も含め、クラスの雰囲気を見てからどちらを読むか決めよう〜、と向かいました。

6月下旬

▼1冊目
『しんごうきピコリ』

(ザ・キャビンカンパニー 作・絵/あかね書房)
目安:約5分弱

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教室へ入る前から、朝の会のときに廊下へ出歩いている子が3人くらいいたり、結構ざわざわ気味のクラスだったので、雨関連のちょっとしっとり楽しむ絵本は今日は封印し、楽しく元気な路線でいこう!と決めて入室。

「みんな、学校の行き帰り、道路通るよね。今日は、そんな学校の行き帰りがちょっと楽しくなるような2冊を持ってきたよ〜!」とテンション高めのパフォーマースイッチを入れ、いざ読みへ。

車の信号が「ピコリ」と変わって、「◯◯(色)になりました。くるまは、どうするかな?」と問いかけ、次のページ……という繰り返しでお話が進むこちらの1冊。

問いかけのときに「止まるー!」と子どもたちも声をあげやすいので、1年生の1冊目としては空気をつくりやすいのではないかと思う。

個人的には、オレンジジュースを飲んでひとやすみ、のシーンが好き。蒸し暑い季節なので、ごくごくごくごく、とくるまがジュースを飲むところは爽快感があったのではないかしら。

信号、車たちの様子、信号、車たちの様子、というリズム感と絵の動きも子どもたちにわかりやすく、飽きさせない。1年生向けの1冊目としては抜群でした。


▼2冊目
『ぼくのかえりみち』
(ひがし ちから/BL出版)
目安:約5分

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「さて次は、みんなと同じ、黄色い帽子の1年生が主人公のお話だよ。こちら、『ぼくのかえりみち』。さてさて、どんな帰り道なのでしょうか……?」

表紙を見せつつ、そんな導入でスタート。

子どもたち、黄色い帽子にランドセルという表紙の絵ですでに親近感を感じるのか、じっと集中し始めた空気を感じました。

誰でも一度はやったことがあるであろう、「白い線の上だけ歩いて帰ろう」ルール。“白い線から落ちたら地獄ね〜!”なんて、きっと遊んだ記憶がある人は、いまの大人にも多いはず。

この1冊、1年生の読み聞かせで何度か読ませてもらっているのだけれど、やっぱり子どもたちも「自分ごと」感が大きいのか、みんな集中してしっかり聞いてくれる。

朝の会ではざわざわなクラスだったけれど、このお話のときはみんな食い入るように見つめていたし、それどころか、廊下に出ていた子が、途中から絵本の目の前に来て真剣に見つめて話を聞いていってくれたの、嬉しかった。

個人的には、冒頭から見開き2ページ目、3ページ目の絵が、奥行き感や足元の感じを臨場感あふれる形で伝える構図の絵で、本当に素晴らしいなあ!と思う。遠くからでも見やすいし、最初にこの描写があることで一気に、物語に入りやすくなる。

そして最後の、文字のないページの効果も……。しっかり5秒くらい、絵を見てもらってから、ゆっくりとめくりました。

1年生の夏休み前あたり、これからも読んでいきたい安定の1冊。


▼3冊目
『こんにちワニ』
(中川 ひろたか 文、村上 康成 絵/PHP研究所)
目安:約1分40秒

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少しだけ時間があまったので、おまけの1冊ということで、ことばあそびの本を。

1分台で読み終えることのできる、かつ楽しい本はとても貴重なので、困ったときにいつもお世話になっている1冊。

シンプルなんだけども、洗練されていて、大好き。2分以下でこのエッセンスを凝縮できるの本当にすごい。中川ひろたかさんのことばのセンスと、肩の力の抜けた村上康成さんのイラストのコンビネーションに感服。

ことばあそび、と言ってもまだ1年生のこの時期にはピンとこないようだけれど、それでも読んでゆけば伝わってゆく、そのリズム、おもしろさ。

子どもたち、最初はきょとんとしていたものの、じわじわとその“遊び”の感覚が伝わって、「だるまさんがころん……だんご」あたりでは思わず笑い声が飛び出し「おもしろい」とつぶやいていた。

そう、おもしろいのよ、ことばって。

ことばの楽しさに、これからどんどん触れていってほしいなあ。


雨の絵本は読めなかったけれど、今日はこれはこれで、クラスの雰囲気に合ったなかなか楽しい読みがたりタイムになったのではないでしょうか。

先生も朝の会からすごく大変そうだったけれど、帰り際、「(普段廊下で過ごしている子が、教室には)なかなか入ってくれないんですけど、やっぱり気になったみたいで、(入って)見てましたね……!」って嬉しそうにことばを添えてくださって、ありがたかったな。

日常的に関わっている先生たちの大変さは計り知れないけれど、私は私で、たま〜に現れる本読みのおばちゃんとして、ちょこっとでも楽しいひとときを(子どもたちにも、先生にも)提供してゆけたらなあと思う。

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