雑記

カオリーヌ菓子店の「バスクのチーズケーキ」

2023年11月13日

気まぐれに、博多阪急の催事にて出会ったカオリーヌ菓子店さんのチーズケーキと、『チーズの絵本』のことを。

その日わたしは帰宅が遅くなる予定だったので、チーズ大好きな娘をふくむ家族へのお土産に……と、最初は軽い気持ちでショーケースの前に立ったのでした。

お品書きには、本格チーズは苦手な人でもおいしく食べられるという「ブルーチーズのチーズケーキ」や、金沢の酒蔵さんとのコラボで酒粕をつかった「吟醸チーズケーキ」なども。新鮮なラインナップに惹かれてしまう。

ブルーチーズ自体も好きだし、一方で酒蔵など職人仕事の文脈に弱い自分としては、そのふたつを味わってみたくなったけれど、今回は子どもの好み優先で、定番の「バスクのチーズケーキ」をオーダー。

思えば、巷でよく「バスク風チーズケーキ」なるものは見かけるものの、「バスクの」と言い切っているケーキは初めてかもしれない。なんだかそこには作り手の覚悟があらわれるような気がして、好きだな、と思った。

包んでもらっている間、ポップにさらっと書いてあった「チーズ留学をして……」というインパクトの大き過ぎるフレーズが無性に気になって、店主さんに話しかけてみる。

すると第一声が、明るく「私、もともとはチーズ嫌いだったんですよ〜」だったので、ますます興味をそそられた。

そんな店主のかおりさんがチーズの魅力にとりつかれたのは、大人になってから。本場のチーズの多様さや、ワインなどと楽しむ奥深さに触れて、チーズにのめり込んでいったのだそう。(詳しくは「くらすこと」さんのインタビュー記事に書かれていたので、ご興味のある方はそちらをぜひ)。

「それで、チーズ作りたいな!と思って、チーズ留学して」

わたしが店頭でお話したのはほんの数分のことだったので、そんなふうに端折って聞かせてくださったけれど、その短い時間でも伝わってくるチーズへの想い、熱量があって。

いいなあ、この方がつくるチーズやチーズケーキ食べたいなあ、という思いがますます強くなったのでした。

ちなみに、すべてのケーキはグルテンフリーなのだとか。わが家の娘もいろいろとアレルギーっ子なので、シンプルな材料でグルテンフリーのお菓子、とてもうれしい。

ブースの片隅には、『チーズの絵本』という書籍も陳列されていた。

こちらは店主かのうかおりさんが文章を、イラストレーター平澤まりこさんが絵を担当しているもの(発行:ミルブックス、発売:サンクチュアリ出版)。

かおりさんの真摯なチーズ熱に触れた流れで、思わず手にとってしまう。

「チーズに関する本って、難しいものが多くって。もっとわかりやすくチーズのことを知ってほしいなと思って」と、かおりさん。

大人だけでなく、子どもにも読んでほしいという思いから、小学4年生までに習う漢字しか使っていないそう。

わが家のチーズ好きっ子はまだ小1だけれど、たくさんの絵があるから、パラパラめくってみるだけでも楽しそう。自分で読めるまで、リビングの片隅に飾っておきたくなる雰囲気の装丁でもある。

そう思って、お土産にこちらも追加した。熱のある本に弱い。

翌朝、さっそく子と絵本を読んでいたら、子は「チーズおかかおにぎり」のページにはげしく反応していた。今度つくってみよう。

さらには、奇しくも夫が近々イギリス出張に行くので、とりあえず本場のチェダーチーズと、周辺国のいろんなチーズをお土産にリクエストしたのでした。ふふふふふ。

最近は取材や打ち合わせもオンラインが増えて、郊外の自宅にひきこもっている時間が多くなったけれど、たまに都会へ出るとこうやってたのしい出会いがあったりもして。

もうちょっと意識的に、外出の機会を増やしてゆきたいなあ。

ちなみに肝心のバスクのチーズケーキは、熊本産の和紅茶とともにいただきました。

濃厚なクリームチーズと、焦げの香りが組み合わさってたまらない。そうして口の中に広がるこくのある世界を、和紅茶がすっ、と引き締めてくれる瞬間もすばらしかったです。

ひとくちひとくち、飲み物や焦げのバランスで微妙に変わる味わいをゆっくりと噛み締めながら食べたい、至福のケーキ。

……なのだけれど、今回は休日の朝食にしてちょっとがっついてしまったのが反省点。次回はゆったりとしたティータイムに、もうちょっと優雅に(笑)、いただきたいなと思いました。

ロゴの書体、レトロな雰囲気で好きです。

 

▶カオリーヌ菓子店(オンライン販売)
https://kaorinne.ocnk.net/

 

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