
夏休みや仕事の立て込みで間隔があいてしまいましたが、ひさびさ、4年生の読み聞かせ。
いきなり涼しくなって秋めいてきたので、1冊は秋を味わう絵本を選びました。
もう1冊は物語と言葉あそびのどちらにしようか迷ったけれど、元気なクラスだと聞いていたこと、また1冊目がしっとり系なこともあり、メリハリを優先して言葉あそびをチョイス。
いろんなタイプの子どもたちがいるなかで、まずは「本のある時間って楽しい」「言葉って楽しい」という記憶につながったら嬉しいなあと思いったりして。
そして読み手側にもいろいろ個性があるので、みなそれぞれに、得意を活かしあえたらと思ったりします。私はきれいな語りより、くせのあるおとっつぁんとか師範とか、どうも「おじちゃん節」が向いているのだよなあ(笑)。
10月中旬
▼1冊目
『おちば』
(おーなり由子 文、はたこうしろう 絵/ほるぷ出版)
目安:約4分50秒
気温が下がって一気に秋めいてきたこのごろ。1冊目は秋の絵本から。
「みんな、小さいころに落ち葉を集めてばーっ!って(上に投げる動作しながら)やったことある?」「ちょっとそのときの空気を思い出しながら、みんなで秋を味わってみたいなと思います」と言ってスタート。
個人的に、はたこうしろうさんの「五感に訴えるシリーズ」と勝手に呼ばせていただいている絵本たち、本当にすばらしいなと思っている。『こんにちは! わたしのえ』(ほるぷ出版)とか、『どしゃぶり』(講談社)とか。
絵に臨場感と喜びがあふれていて。
だから秋の絵本を検索していて、この表紙を見たとき「はっ、これは!」と思ったのでした。

全ページ通して色合いが秋の公園にいるようで、見ているだけでも美しいのですが。
圧巻はなんといっても、集めた落ち葉の大きな山にジャンプしてから着地する前の一瞬をとらえた、絵だけの見開きページ。
いや、正確にいうとその前後を含めた見開き4ページの構成が、落ち葉の山にジャンプするあのわくわくした気持ちと、「ざっふぁーん!」となるあの感触とを、これでもかと伝えてくれるのです。
言葉は少ないけれど、その見開き4ページは間を意識しながら、ゆっくりとめくった。
絵が、語ってくれる。
オチがあるような物語ではなくて、情景を味わうような絵本だから、後半はちょっと退屈しているふうの子もいたけれど、それは十分、想定内。
大人数いれば、好みは人それぞれで当たり前。
2冊目はわいわいするつもりだったからこそ、情景を味わうのが好きなタイプの子にこの1冊目が、静かに届いてくれていたら嬉しい。
▼2冊目
『なぞかけどうじょう』
(中川ひろたか 作、大島妙子 絵/金の星社)
目安:ゆっくりやりとりしながらで約9分
「さて、2冊目はがらりと雰囲気を変えて、言葉あそびの本を読みたいと思います。というか、みんなにも参加してもらいたいと思います」と言うと、今度はさきほど退屈そうにしていた子たちの目にキラ、と光がともる。
「なぞかけって知ってますか?」と聞けば、「知らなーい」の声に混じって、「何々とかけて、何ととく」とつぶやく女の子が。「そう、それ!」と反応しつつ、「じゃあ、知らない人は?」と聞いてみたら、クラスの8割以上は知らないとのこと。
「知らなくっても大丈夫!」で表紙を見せながら、「今日はなぞかけ道場の師範に、みんなで弟子入りをしたいと思います〜」と言ってスタート。
大島妙子さんの描く楽しげな雰囲気と、中川ひろたかさんの軽妙な語り口、言葉選びのセンスで、1ページ目からくすくすと笑いが起きるのは本の力。
さっきの静かな本とは打って変わって、わくわくと楽しそうな目でこちらを見てくれる子どもたち。
この本のいいところは、最初に師範ど弟子のかけあいで、「なぞかけ」を知らない人にもわかりやすく、その説明があるところだと思う。
ルールがわかったら後は実践で、なぞかけをどんどん解いてゆく。まさに道場。
最初に、「声を出していいよ〜」と宣言していたので、思いついたらどんどんつぶやいてくれる。
読み手は出題してから、しばらく待って、子どもたちの声を聞きながら、正解が出たり、出なかったらちょっとだけヒントを出してみたり。
そうやって反応を見るなかで、この本、4年生に読むのがすごくいいんじゃないかな〜と個人的には感じている。高学年になるともう一段階、声を出す子が少なくなってくるし、でもなぞかけを解くには低学年だとなかなか難しい。その間にいる4年生、とても反応がいいのだ。
中盤で、「さあ、まだまだいくよ〜!」と言ったとき「え、やった」とつぶやいてくれた男の子がいて、嬉しかった。
最後まで、みんな真剣に考えて声を出してくれて、場がひとつになっている感じがあったかなと思う。
「お父さんやお母さんはもちろん、おじいちゃん、おばあちゃんも知っている言葉あそびだから、家で出題してみてね〜」と結んだけれど、はたして。
だれかひとりでも、家族で話題にしてくれたら嬉しいなあ。
↓ 以前読んだときの記録はこちら。
▼3冊目
『えほん なぞなぞうた』
(谷川俊太郎 文、あべ弘士 絵/童話屋)
最後に2、3分あったので、時間が余ったときのお守りに持っているこちらの本から、1問だけ。
「本を開く前に、みんなも知ってる谷川俊太郎さんが文章を書いている、こんな本があってね」と話すと、さすが4年生、「ああー!」の声。教科書でも何度か登場しているし、もう聞き覚えがある名前みたい。
今回の1問は、なぞかけからの流れをくんで、同音異義語が登場するものにしてみました。ヒントなしでは正解がでなかったけれど、ヒントをつぶやいたら、たくさんの子が一気に正解!
4年生。10歳という節目の前後で、ここから一気に大人びてゆくような気がする。
そんな揺らぎの時期。でもまだまだ元気で、素直さもあって。
心に残る物語でも、紹介したいものはいっぱいあるけれど、それはまた次の機会に。
今回は久々にわが子のクラスで、子がにこにことこちらを見てくれていて、嬉しかったな。
来年は「私のクラスには来ないで」とか言われるのかもなあ、と思ったりもするけれど、まあそれも成長。
ただ、たとえ母が煙たくなったとしても、「本がある時間」を楽しいと思える、その感覚はもち続けてくれたらいいなあ、なんて思っている。
追記:家に帰ってから聞いたら、「ざっふぁーん!」がよかった、と言っていた。いいねえ。