絵本 読み語り記録

絵本の読み語り記録:小学校1年生(2026.5月)

今年の1年生にとっては、小学校で初めての読み語りの機会。

4月からいきなり勉強ばかりになって、心も体も大変ではないかなあと想像するので、たまには保育園や幼稚園で触れてきた絵本というメディアにゆったり触れて、「ただ楽しい」ひとときになったらいいなあ。

そんな気持ちで今回は、静かにまとめるというよりは、あれやこれやとバラエティに富んだ構成にしてみました。

5月下旬

▼1冊目
『あな あな はてな』

(はらぺこめがね 作/アリス館)
目安:約4分20秒

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「突然だけど、みんな、穴のあいた食べ物って何が思いつく?」とクラスに聞いてみると、「ドーナツ!」と元気に声が聞こえてくる。少し間が空いて、「れんこん」と言ってくれた子も。

「じゃあその穴、なんで空いてるか考えたことある?」「一緒に見てみよう〜」と言ってスタート。

“あなあな はてな?なんのあな どうして あいた?こんなあな”

のリズミカルなフレーズに始まって、リズム重視で楽しい絵本という感じなのかなと思いきや、もちろんその性質はあれど、それだけではないのがこの本の魅力。

リズミカルな文章と、ダイナミックでカラフルで楽しくなっちゃう絵にのって、内容はとっても理科的というか、実際的。

ちくわにはなんで穴があいているの?れんこんは?マカロニは……?

れんこんの穴が、水の上で吸った空気を泥の中まで運ぶのだという話は、大人も案外、知らないのでは。

最後のページを閉じたとき、「あ、おわっちゃった……」と名残惜しそうに言ってくれた男の子がいて、うれしかった。


▼2冊目
『わらしべちょうじゃ』
(さいごうたけひこ 文 、さとう ちゅうりょう 絵/ポプラ社)
目安:約5分30秒

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最近の子はひと昔前に比べて、いわゆる「むかしばなし」をあまり知らない、ということが読み語りメンバーでもたびたび話題になる。

ということもあって、1年生向けにもひとつは昔話を入れることに。

読み始める前に「『わらしべちょうじゃ』ってお話、知ってる人〜?」と聞いてみたら、半数以下、3分の1くらいの子しか聞いたことがないようでびっくり(ちなみに自分は、幼稚園のときにわらしべ長者の小さな絵本が配られて何度も読んだことを、いまだにぼんやりと覚えているのだけど)。

昔話はいろいろな絵本が出版されているけれど、この一冊は、とにかく見開きページをいっぱいに活用した大きな絵柄にインパクトがあって、クラス全体の読み語りでも惹き込まれやすそうだな、と感じて選んだ。

男の表情や、わらしべ、みかん、馬、など、登場する人物や物がどーん!と印象的に描かれるので、1年生も飽きないし、何よりわかりやすい。

子どもに「わらしべ」ってなにー?と聞かれ、それを説明するのにも、わらしべが大きく描かれたページがあり、とても役立った。

こうした印象的な描かれ方をしている背景には、文を書いている西郷さんの解釈がある。巻末に西郷さんの大人向けのあとがきがあって、拝読すると少し理解が深まり、なるほどそういう読み方もあるのだなとおもしろい。

子どもたちの心に何か残ったか?は、その場ではよくわからない。

でも昔話を読むたび、やっぱり昔話はお話として洗練されてているなあと感じるから、そうやって長く読みつがれるものに触れる機会のひとつになったなら、うれしい。


▼3冊目
『はみがきあわこちゃん』
(ザ・キャビンカンパニー/すずき出版)
目安:4分10秒〜4分40秒くらい

5月末から6月、そのくらいの時期の低学年に入室するときによく持っていく1冊。

内容は、以前の記録から引用を。

「みんな、6月4日ってなんの日か知ってる?」と聞いたら、正解は出なかったけれど、「6は“む”、4は“し”とも読むから、虫歯予防デーといって、歯みがきをがんばりましょうって日なんだって。そこで最後は、歯みがきが出てくるお話を選んでみたよ〜」でスタート。

表紙を見せた時点で「きれい〜」という子も。「そう、絵もとってもきれいだから、一緒に楽しんで見てね」と添えて、お話へ。

はみがきが大好きなあわこちゃんが歯みがきをしていたら、あわがあふれて、街中があわだらけになって……。

絵の力が強いのか、子どもたちもお話に引き込まれて聞いてくれていた印象。

後半、くじらが出てくる直前のページでは「くじら!」と予想を声に出して反応してくれる子たちも。

今回はさらに反応の大きいクラスだったので、最初に歯みがきのあわが「ぶくぶくぶく……」と広がり始めた時点で、子どもたちは大盛り上がり。静かに聞きたい子もいるので、なかなか塩梅がむずかしい。

くじらの登場する直前のページでは、やっぱり「くじら?」と予想する子が。

さらに最後、くじらが「はみがきをしたあとは…」といって、水を吸い込み、「ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ」とうがいをしていると、そこかしこから「ぺー!だ」「ペッ!」と声が聞こえてきて。

その次のページで実際に「ぺーー!」で勢いある絵とともに終わるので、みんな一体となって楽しんでくれたようでした。


▼4冊目
『あめあがりのしゃぼんだま』
(吉田瑠美 さく/福音館書店「ちいさなかがくのとも」2019年6月1日発行)
目安:2分20秒

※表紙画像は、福音館書店さんHP内の「著作物の利用」記述にもとづき、利用可能な範囲で使用しています。

前日まではいい天気が続いていたなか、ひさしぶりの雨の日だったので、当日の朝にあわてて、「これも持っていこう」と本棚から出してきた絵本。

入室の時刻によっては3冊目で終わろうと思っていたけれど、早く入れていただいたこともあり、まだ時間があったので、ぜひ梅雨前のいまの季節に、と思って読ませてもらった。

雨の日のしゃぼん玉には、晴れの日とはちょっと違う「ヒミツ」があるのだけど……。

読み終えて、「これから雨が多くなる季節になるから、ほんとうか、ぜひ試してみてね〜」と言って結びました。


1年生にとって、初めての読み語りの機会はどうだっただろう。

とりあえず今回のクラスはとても元気で、声を出してわいわい反応してくれていた。

にぎやかだったので、「静かにお話を聞いて物語の世界に入り込む」という感じではなかったけれど、学年があがるにつれて自然と静かになっていくことも知っているので、とにかくいまは、「絵本や本は楽しい」というイメージを持ってくれたらそれでいいなあと思っている。

本が面倒くさい、になる前に、「本って楽しい」って思ってほしいのよなあ。それが図書館や本屋に足を運ぶことにもつながってくるわけで。

願わくば、何か月かに一度やってくるその機会を、楽しみにしてくれる子が出てきますように。

-絵本, 読み語り記録

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