
6月は梅雨だろう!と思い込み、雨に関する絵本を図書館でたくさん借りていたのですが。
実際は、ここしばらく晴れや曇りだったし、雨にこだわらなくてもいいよなあ……、でもせっかく借りたしなあ、と、直前まで何を読もうか迷っての、当日。
結局、雨や傘の絵本ではなく、ほかの方向から季節にあわせた2冊と、気軽に楽しめる1冊の3冊構成にしてみました。
※以下3冊の表紙画像は、福音館書店さんHP内の「著作物の利用」記述にもとづき、利用可能な範囲で使用しています。
6月中旬
▼1冊目
『でてこい でてこい とうもろこし』
(飯野まき 作/福音館書店/「ちいさなかがくのとも」通算268号、2024年7月1日発行)
目安:約4分30秒

スーパーや産直野菜売り場で、ちょうど旬のとうもろこしが売り始めている季節。食卓にのぼる機会も増えているかなと思って、とうもろこし関連の一冊を。
「今年、とうもろこし食べた人〜?」と聞いたらクラスの半分くらいが手をあげてくれる。「じゃあ、とうもろこし、採ったことある人?」と聞くと、3人ほど。
「お〜、採ったことある人もいるね、すごい!」と反応しつつ、「とうもろこし、畑にどんなふうになっているか知らない人も多いかな〜と思ったので、こんな絵本を持ってきました」といって読み始めました。
「ちいさなかがくのとも」シリーズということもあって、特にひねりのある物語!というわけではないのだが、なんといっても、絵がいい! 色もいい!
青々と茂ったおばあちゃんのとうもろこし畑に、子どものなっちゃんが訪れ、おいしさのめじるしである「茶色のもしゃもしゃ」をさがす……という流れなのだけど。まず畑の緑の色が本当に、「夏の色だなあ!」と思うほど生命力にあふれているし、見開きをすばらしく活用した迫力のある絵の数々がまた、すばらしい。
特に、おばあちゃんに教わった「茶色いもしゃもしゃ」をついに見つけて、「ぼきっ」と折るシーンや、とうもろこしの皮を何枚も剥いて、ついに黄色の身が現れるシーンは見開きいっぱいにとうもろこしが大きく描かれていて。臨場感あふれている。
ストーリーとしては「畑でとうもろこしを採る」だけのはずなんだけど、そのなかで、心地よい風を感じる描写があったり、なっちゃんのどきどきが伝わってきたり。派手な事件が起きるわけじゃないんだけど、ひとつひとつの描写がていねいで、しっかり味わえる。
なかなかリアルに体験する子が少なくなっているだろうからこそ、子どもたちが追体験できたらいいなあと思って選んでみたけど、どうだったかな。
1冊目ということもあり、みんなしっかりじーっと見てくれていたのが印象的だった。次に食卓で「とうもろこし」を見たら、ちょっとでもなにかを思い出してくれる……といいなあ。
▼2冊目
『ケロケロきょうだい』
(たかおゆうこ 作/福音館書店/「こどものとも年中向き」通巻421号、2021年4月1日)
目安:約5分40秒

田んぼでかえるをよく見かける季節ということで、かえるが主人公の一冊を。池や海など水がたくさん出てくる雰囲気も、この時期にぴったり。
住んでいた池が、工事でなくなってしまったケロケロきょうだい。新たな池を求めて旅に出るのですが、なかなかうまくいかなくて……?というストーリー。
こちらも、福音館書店のこどものとも(年中向き)シリーズなので、A4クリアファイルに余裕で入ってしまう小ささ・薄さなのだけど。そのコンパクトさに反して、描かれている世界の広がり方がすばらしいのです。
横長の見開きいっぱいをフル活用して描かれるページがいくつもあり、作家さんの構図というか、「切り取り方」に脱帽してしまう。
個人的なお気に入りは、豚のページと、カルガモのおかあさんのページ。こんなに小さな本なのに、クラスの後ろの方までしっかりと見えるほど、動物が大きく描かれていて。さらにはお話のメリハリとしてもはたらいていて。すばらしいなあ、と感嘆。
大人数の読み聞かせ、特に低学年は同じような絵面がつづくと子どもたちも飽きてしまいやすいので、カエルばかりじゃなく、まわりの景色やほかの動物など、どんどん切り替わりつつ迫力もありつつ、という構成は子どもたちの興味が続いて嬉しい。
カエルたちが排水口に入ろうとするシーンでは「いや、やべーよ……」とツッコミを入れたり、池と思われるものをみて「海じゃね?」とつぶやいたり。ちゃんと話を聞いて、見てくれている証拠。
子どもが保育園時代に購入したものだけれど、遠くからでもわかる絵柄のすばらしさに、魅力を再発見した1冊でした。
▼3冊目
『スーパーじっけんマシン アワサール』
(unpis/福音館書店/「かがくのとも」通算673号、2025年4月1日発行)
目安:約4分10秒

先の2冊はストーリーのある話だったので、最後は気楽に「みんなで楽しく実験をしてみたいと思います〜」と、子どもたちが声を出しやすい1冊を。
こちらの本、「スーパーじっけんマシン」のアワサールをつかって、その名のとおりいろんなものを「合わせて」いくのですが。
ホットサンドメーカーみたいな形の機械を「開いたところ」が絵で見開きに描かれ、「アワサールを閉じます」というところで実際に本を閉じ、裏表紙(蓋を閉じた機械の絵)を見せながら
ガチャン! ウィン ウィン ウィン ウィン、チーン!
とやって次のページをひらくと、合わさったものが誕生している、というつくり。
テンポよく、本を閉じたり開いたりというアクションもあわせて読めるので、子どもたちも楽しそう。
最初のほうで「アワサール」のしくみを理解してからは、次はどうなる……?と想像して、いろいろと声を出してくれる子も増えてきました。
最後の問いかけもよくて、子どもたちの想像力をかき立ててくれるような1冊。いろんな学年で読んでみたい。
3年生、とても元気な子どもたちでした。1、2年生から少しずつ、じわじわと大人になっていくタイミングだから、3年生も前半と後半では反応が違うだろうなあと思いつつ。
わいわい、楽しく反応しながら聞いてくれて読んでいるほうも楽しかった。今回は後ろの席で先生も一緒に座ってしっかり聞いてくれて、うれしかったな。
雨の本は読まなかったけれど、そうやって臨機応変に「今日は何を読もう」を変えていくのもいいなと思う。今度雨の日に読みたいラインナップも増えた。
最近自分が新しく知った本、昔から持っていたけど読むシーンを変えて魅力を再発見した本。
毎回選本を通して、発見があって楽しい。