もう半年前のことだけれど、昨年の8月に1泊2日で原鶴温泉方面に家族旅行へ行き、ふらっと立ち寄ってみた美術館がとても印象的だった。
『共生の里』は、朝倉市黒川の山里で、廃校となった黒川小学校を利用したアート空間。そのなかの『黒川INN美術館』では、常設展にくわえ、年間4〜5回の企画展を開催しているそう。
廃校利用の美術館、というところに興味があって訪れてみたのだけれど、想像以上にゆったりとした時間が流れていて、自然と調和した空間自体が魅力的なところだった。
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外観はこんな感じ。小学校時代の雰囲気が残っている。
玄関を入って受付をすると、自身も卒業生だというスタッフの方が、美術館について案内してくれた(後に、副代表の方だったと知る)。
歴代の蓄音機やレコードの音を聴かせてもらったりも。
そのあとは自分たちのペースで館内を見学。
廊下にもアート作品が並ぶ。
なんでもないような顔をしてところどころに残る、小学校時代の面影が個人的にはとても好きであった。
まるっこいパソコン、懐かしいな。
ちなみに朝倉は、平成29年7月九州北部豪雨で甚大な被害を受けたところでもある。道が分断され、近隣では亡くなる方もいらっしゃったという。
共生の里にも大量の瓦礫が流されてきていたが、展示作品たちの中には、ちょうどぎりぎりのところまでで水の跡が残されていたりと、奇跡的に被害をまぬがれているものもあったそうだ。
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2階へあがる途中、階段の踊り場が合わせ鏡になっていて、子どもと遊びながらひとしきり写真を撮る。
2階では、柳和暢さんの作品展示にあわせてライブペインティングの映像が流れていて、家族で見入る。長期間の作品づくりを密着のような形で追って見る機会はなかなかなかったので、新鮮でおもしろかった。
柳和暢さんというのは、実はこの共生の里のアートディレクターなのだが、それを見ている時点で私たちはそのことを知らずにいた。
ただそのライブペインティングの映像を見ている途中、なんと柳さんご自身がその部屋に立ち寄られて挨拶してくださって、この場所のアートディレクターであると知ったのだ。目の前の作品や映像が、またいっそう力を持って目に映った。
その部屋の片隅に会った来場者ノートに、子が描いていた絵。パパちっちゃいな?
8月の暑い盛りだったけれど、風が吹き抜けていて、自然光が入って。
時折カーテンがひらりとはためいて、外の木々が見える。
作品一つひとつもさることながら、自然と一体化した空間がなによりも心地よかった。
美術館スペースの見学を終えて、別棟のような場所にあるカフェスペースへ。
雰囲気ががらっと一転して、おもしろい。
ここでドリンクをいただいて、小休憩。
副代表の尾藤さんから豪雨での被害のようすを聞いたり、また柳さんもその場へいらして、一緒に雑談を楽しんだ。
ひと息ついて、子がワークショップをしたいというので、同じ部屋の奥でできる、石ころアートのワークショップを。
せっかくなので夫と私も参加した。
上が夫、左下が私、右下が娘。個性が出ますね。
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半年前のことなのでいろいろと記憶から抜け落ちてしまっているところもあるが、とても素敵な空間だったなあ、といまだに思い出すこともあり、写真日記を残しておきたくて書いた。
企画展は入れ替わるので、また興味のある展示のときに再訪したい。
寒いシーズンは閉館していて、2023年は4/1(土)からの開館だそう。
ちなみに、3月21、22日は福岡・天神のレソラホールにて『共星の里 黒川INN美術館展』を開催するとのこと。柳さんのライブペインティングも予定されている。ぜひ行きたい。
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原鶴温泉界隈、いいところだったのでまた行こう、と思った旅でした。
最後は翌日立ち寄った、筑後川の写真にて。ではまた。