12/18(日)に開催された、「ミニいまじゅく2022」。
ひょんなご縁で、わが家の5歳娘も最年少の「こども店長」として参加する機会をいただき。私も当日、運営チームの一員として受付まわりなどをちょこっとお手伝いさせてもらいました。
ということで、このブログではいち「こども店長の親」兼、運営お手伝いという個人的な立場から、当日の温度感をレポートしたいなと思います。
※「ミニいまじゅく」の最新情報・お問い合わせ等は下記公式アカウントから。
https://www.instagram.com/imajyuku_asobi_labo
※写真について:受付にて撮影・SNS等掲載OKのご了解をいただいた方のお写真を使わせていただいていますが、当ページの写真掲載について何かありましたらお問い合わせフォームよりご連絡ください。
そもそも、ミニいまじゅくって?
レポートの前に、「ミニいまじゅく」をご存知ない方のためにちょこっとだけ説明を。ミニいまじゅくは、子どもたちが主体的に考えて開催する、「巨大なお店屋さんごっこ」のようなイベントです。
事前に「こども店長」が「こども会議」を通していろいろなお店屋さんを企画し、出店。当日参加の子どもたちは「ハローワーク」で気に入ったお店の仕事を選び、働くことで、そのまちで流通するお金を稼ぐことができます。
稼いだお金は、好きなお店での買いものしたり、遊んだり。そしてまた働いてお金を稼ぎ、まちの経済を回してゆきます。
この企画のベースになっているのは、ドイツで始まった子どもの主体性を育む「こどものまち」プログラム。日本でも子育て支援団体や自治体等が主体となって200か所ほどに広がっているそうです。
そして「ミニいまじゅく」は、今宿に移住してきた遠藤幹子さん・山本えみさんが中心となり立ち上げた企画。2022年が初めての取り組みです。
建築家の遠藤さんは「大人から子どもまで、みんなが創造力を育める場づくり」のプロであり、「ミニよこはま」や「ミニふくおか」運営にも携わってきた方。またおふたりとも子育て経験があり、「もっとこの地域で、良質な学びや気づきの機会を子どもたちに与えたい」という思いから、その機会の第一弾としてこの「ミニいまじゅく」を立ち上げたのだそう。
同じく移住者&子育て中な自分としても、ロケーションは最高な今宿界隈、「もっとおもしろい場が増えていったらいいのになあ」「子にももっといろんな人と触れ合っていろんな経験させてあげたいんだけどなあ」と思いをくすぶらせていたので、「ミニいまじゅく」の話を聞いたとき「最高」と思いました。素敵な場の立ち上げ、本当にうれしいです。
……と、固い説明はここまで。ここからはいよいよ、当日のレポートを写真メインでお届けしてゆきましょう〜。
※ちなみに、「こどものまち」づくりは基本的に大人の介入NGですが、今回、未就学児や低学年については保護者が必要に応じてサポートOKとのことで、私も準備段階から、店長の補佐役としてお手伝いをしていました。
12/18(日)ミニいまじゅく レポート
こども店長、朝10時に出勤。
平地ではめったに雪の降らない福岡だというのに、当日はまさかの雪!
家を出るタイミングではかなり雪が舞っていたので、いつもの電動自転車はあきらめ、徒歩で向かうことに(わたしは店長のしがない荷物持ちです)。
なんとか海岸線まで出たら、天気が一時的に回復。ついさっきまで雪がチラついていたのに、青空が見えてきました。なんだか幸先がいいですね。
会場は海辺のシェアオフィスSALT。写真奥に見える、青い色が印象的なビルです。
たいへん、店長、時間ギリギリです、いそぎましょう……! タタタッ。
10時 準備スタート
こども店長、集まりました。
日直さんの号令で、元気に準備スタート!
みなこの日までに、オンラインの「こども会議」と、本番の会場でのお店準備会を経て、顔を合わせるのは3度目。
準備段階から全体のことを考えてくれたり、当日もそれぞれのお店についてくれる、こどものまちサポーターさん有志の方々(自分たちもミニふくおかなどで遊んで育ったとか。なんて心強い!)とも2度目なので、ふだんはなかなか人見知り・場所見知りする娘もあまり緊張せずにすんでいたもよう。
会場設営は、大人も子どもも役割分担して、てきぱきとすすめます……!
「しあわせになれるおいしいパンやさん」では自分のお店の看板を書いていたり、
「ゲーセン シャンクス」ではPCのセットアップをしていたり、
「遊び屋 コビー」では手作りのどうぶつしょうぎをセッティングしたり(うっかり準備風景を撮りそびれちゃったので、写真はイベント中に遊んでいるところ)、
「クッキーパ・マル」と「アクセサリーよっぴー」では、商品や説明用の案内を並べたり、
「ことなっとうやおめん」では、値札をかわいくデコレーションしていたり、
「レゴポッチ」や、「NEWS PAPER CRAFT(ニュースペーパークラフト)」では、すぐに遊べるように準備をしたり。
「ぎんこう」では、ミニいまじゅくの通貨「ベリー」が並べられていました。この通貨の単位も、「こども会議」でこどもたちが決め、デザインしたもの。
子どもたちがお店の準備にいそしむ間に、大人たちも力をあわせて、全体の設営を完了。
お昼ごはんをすませて、いよいよ当日参加者のみんなをむかえます……!
13時 イベント開始!
開始とともに、たくさんの子どもたちが遊びにきてくれました。
受付をしたら、「町民証」をもらって名前を書き、まちのしくみについて学びます。
さっそくみんな、しごとを探しにハローワークへ。
「ミニいまじゅく」のハローワークには、さきほどご紹介してきたお店などの、個性豊かな求人がずらり。
働いてみたいお店を決めたら、そのお店に行って「こども店長」さんをサポートします。仕事の時間は1ターム、15分。
ところで私もイベントが始まってみてから気づいたんですが、「そうか、最初はみんなお金を稼ぐために働きたがるから、働き手ばかりでお客さんが来ないんだな〜!」と。
最初の15分は、店員さんたちもちょっとヒマそうでした。
だれもお金を持ってないと、買う人が来ない。当たり前といえば当たり前なのだけれど、こういうことも、知識じゃなく実感として体験する機会ってなかなかない。しかもこの状態を体感するって、言葉で100回言うより、よっぽど脳裏に刻まれるよなあ、と思ったのでした。
15分経って、仕事が終わった子が次々と出始めてからは、経済がまわりはじめます。
稼いだお金で、お店で遊ぶ子。アクセサリーや食べものなどを買い物する子。違うお店で働いてみる子。ハローワークや、ぎんこうで働く子。
それぞれ、思い思いにこのまちでの「くらし」を楽しみはじめ、徐々に会場が活気づいてゆきました。
ちなみにわが子は最年少こども店長ということもあって、親としては遠目ながら「だいじょうぶかな〜」と眺めていましたが、サポーターのお姉さんがやさしく、ほどよい距離感でサポートしてくれたおかげで(ありがとう!)、ちゃんと店長の自覚を持ってがんばっていたようです。
後半、お買いものに出かけたときにはサポーターさんにベリー(通貨)でパンを買ってあげているところを遠くから目撃しました。人生初、自分のお金で差し入れ体験。
帰宅後によく話を聞いたら、お姉さんにアクセサリーも買ってあげたよとか、お店に働きにきた子にもクッキーを買ってあげたよと言っていました。いい経験をしたねえ。
大人サロンへの出張販売を始めるお店も。
後半、こども店長さんたちが、それぞれお店の運営にも慣れ始めたころ。
大人サロンで友人としゃべっていたら、クッキーやさんとパンやさんの出張販売がやってきました。
こどものまちだけでなく、まちの外にも目を向けてお客さんを開拓するとは、こども店長さんたち、ナイスアイデア。
ちなみに、こどものまちとは区切られた「大人サロン」スペースのみ、「円」の運用で、集めたお金はミニいまじゅくの運営資金として活用される形になっています。
せっかくなので私もパン(りんごジャム)を注文。
パンは会場のすぐご近所、ヒッポー製パン所さんのおいしいパンを仕入れたそう。そして自分でやるとケチケチ薄っぺらく塗りがちなジャムを、たっぷりぷるんと盛り付けてもらい。
ああ、人にジャムを塗ってもらったパンを食べるって、しあわせだったんだなあ……。
「ゲーセンシャンクス、値下げします!」
イベントの終了時刻が近づいてきたころ、ゲームセンターの店長さんからはそんなアナウンスも。
なるほど、タイムセール。
お客さんの入りや雇用状況、持っているお金などを加味してセールを打ったり、出張販売へでかけたり。みな立派な経営者だなあ。閉店まぎわまで、「クッキーいかがですか〜!おいしいですよ」と元気に声をかける子も。
まだ自分からそこまで積極的にいろんなアプローチをできない5、6歳くらいの子たちも、そんなお兄さんお姉さんの様子をみて、きっといろんな刺激を受けていることでしょう。わが子もしかり。
終了予定時刻の15分前ごろ、サポーターさんが「売り切れのお店もちらほら出てきたので、少し早いですが、終わりにしたいと思います」とのアナウンス。
すると、会場からは「えーっ!やだー!」の声。
言い換えればつまり、それだけ楽しんでくれている証拠でもあり。「飽きた〜早く帰ろ〜」と言われるより、よっぽど嬉しい!と思ったのでした。
ならばと5分延長されて、最後はみんなで集合。
「今日、どのくらい楽しかったかをあらわしてみて!」の声に、この笑顔。
何人かの子に代表して感想を発表してもらったら、「めちゃくちゃ楽しかったので、また来年もやりたいです!」と、いまから気合充分のようすでした。
かくいうわが子も、お姉さんたちのやっていたお店に刺激を受けたらしく、「つぎはクッキーやさんとかね、アクセサリーやさんやりたい」と言っていました。とっても素敵にうつったんだろうなあ。
今年は何もイメージがないまま参加したけれど、こどもたちも一度イメージができると、「つぎはもっとこうしてみよう」「こんな工夫してみたらどうだろう」とどんどんアイデアがふくらんでゆきそう。
次年度以降もこういう場がつづけられるように、わたしもできる範囲でお手伝いしてゆけたらうれしいです。
※「ミニいまじゅく」の最新情報・お問い合わせ等は下記公式アカウントから。
https://www.instagram.com/imajyuku_asobi_labo