たんたんと絵本の記録を 絵本

絵本の読み語り記録:小学校3年生(2024.4月)

2024年4月22日

新学期を迎えてはじめての読み語り。

前回は盛り上がり重視の選書だったこともあり、今回は少し、じっくり聞くお話もあっていいかな、クラスのだれかひとりでも心に残ってくれたらいいかな、という方向性での選書。1冊目は五感的に気持ちよく楽しめるもの、2冊目はお話。

今回も自分の備忘録を兼ねて、たんたんと記録をしてゆきます。

4月中旬

「今日はちょっと雨だねー。雨の日は外で遊べないけど、頭のなかは自由だなって思いませんか? 今日は、自分の頭の中にある世界を、どうやって表すか、という本を2冊選んでみたよ。1冊目は絵を描く子が、2冊目は言葉でお話をつくる子が出てくるよー」と言ってスタート。

▼1冊目
こんにちは! わたしのえ』
(はたこうしろう/ほるぷ出版)
目安:4分弱

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初めて手にとったとき、はたこうしろうさんの絵が、とにかく気持ちいい!これはいい絵本!と感じた1冊。

絵筆でダイナミックに線が描かれるページ、ぽたぽたとインクをたらしてちらかしていくシーンなど、絵本なのだけれど、まるで自分が絵を描いているような感覚で、絵を描く喜びが伝わってくる。

特に大好きなのは、見開きのページ全体を使って、バケツに入った水に両手を「どっぷん!」とつけているシーン。そして、そのあとに続く、手のひらを絵筆にして、手で絵の具を「しゅりゅううううううう」って広げていくところ。

手のひらが実物大よりもちょっと大きめくらいで描かれているので、まるで自分の手で絵の具を伸ばしているみたいな感覚が伝わってくるし、教室の後ろのほうでもはっきりと見える構図が、とってもいい。

そのあと、足の裏に絵の具を塗って「くすぐったーい」となり、「どん ぺたん どん ぺたん」って足でスタンプしていく展開があるのだけれど、このあたり、娘に読んだときも自分の足のくすぐったさを想像するみたいで反応がよく、クラスで読んだときも、「おー」って小さくだけど反応してくれる子たちがいて嬉しかった。

全体を通して、のびのび絵を描くってなんて気持ちよさそうなんだろう!という感覚が伝わる、五感で楽しめる絵本。


▼2冊目
『ふつうに学校にいくふつうの日』

(コリン・マクノートン 文、きたむらさとし 絵 柴田元幸 訳/小峰書店)
目安:8分20秒

ハマる子、ハマらない子、どちらもいるだろうなあと思いつつ、ひとりでもピンとくる子がいるといいなあ、と思って選んだ2冊目。

学校に行くこと、クラスルームで授業を受ける、あたらしい先生、として風変わりな先生がやってくる……というシチュエーションが、新学期には自分ごとになりやすいかもしれないな、という思いもあり、選んだ。

あたらしい先生、ギー先生は、突然音楽を聞かせて、「何を思い浮かべたかな?」と聞く。そして、今度は思い浮かべたことを、ことばで書いてほしいという。

主人公の男の子は、ことばが洪水のようにあふれだして、お話をどんどんつむぎだす……。

少し長めの話なので、途中で集中力がきれちゃっているな、という子もいたけれど、男の子の想像の世界を絵だけで語る見開きページ、2枚目の、「男の子が鳥といっしょに空を飛んでいるシーン」をひらいたとき、「あっ」と、”思わず声が出ちゃった”という感じの声が聞こえて、ああ、お話の世界に浸ってくれている子もいるんだ、とうれしい気持ちに。

わいわい反応しながら読む絵本というよりは、それぞれが、自分の頭の中でじわじわ、余韻を楽しむような絵本。かもしれない。


2冊を読み終えて、「頭の中の世界をあらわす方法として、今日は絵を描く子と、お話を書く子を紹介しました。ほかにも、たとえば音楽が好きなら歌をつくったり、体を動かすのが好きならダンスしたり、プログラミングで何かをつくったり、いろんな表現があるよね。みんなも好きなこと、得意なことを通して、頭の中の世界をどんどんあらわしていってみてほしいなと思います」

って言っちゃったけど、ちょっと説教じみていたかしら。ライトな塩梅で伝わっていたらうれしいけれど。

ちなみに反省まじりの雑感として、『ふつうに学校にいくふつうの日』は、大人数に読み語りするシチュエーションだと、4年生以上くらいのほうがもっと入り込んで聞いてもらえるかもしれない。

3年生といっても、ついひと月前までは2年生だったわけなので、もう少し、参加型の絵本を入れてもよかったかもしれないなあ。と、前回とは真逆の反省。笑  15分という制約のなかで、いいバランスをとって組み合わせるのがなかなか難しい。

でも、まさに『ふつうに学校にいくふつうの日』の中にもあるように、退屈に感じた人も、集中力が切れた人もいるかもしれないけれど、クラスのなかのひとりくらいは、心にひっかかって、残ってくれる子がいるんじゃないかなあと思っている。

そう思うと、「まちがいない」「ハズさない」だけじゃない本にも、たまにチャレンジしてみたくなるのでした。

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